暮らし家は9月11日で丸2年を迎え、3年目に入ります。
思っていたよりもずっと早く、
暮らし家は今の場所まで来ました。
ありがたいことに仕事も増えて、
たくさんの人と出会うことができました。
特にこの2年間は、
紹介から声をかけていただくことが多く、
人とのつながりに支えてもらいながら、
ここまで来ることができました。
本当にありがとうございます。
■ 思っていたより、ずっと早かった2年間

暮らし家を始めたとき、
会社をどんどん大きくしたいとか、
誰かに認められたいとか、
そんなことを強く考えていたわけではありません。
スピード感を持って事業を拡大したかったわけでも、
上を目指して競争したかったわけでもありません。
それでも振り返ってみると、
想像していた以上のスピードでいろいろな仕事を経験して、
たくさんの人と出会うことができました。
だからこそ今、
改めて大事にしたいと思っていることがあります。
今あるものに気づくこと。
今ある状況に感謝できること。
困ったときには助け合うこと。
まだ使えるものを簡単に捨てないこと。
そんな、
昔からある当たり前の感覚です。
■ リフォームは、古いものを新しくするだけじゃない


リフォームって、
古くなったものを新しくすることだと思われがちです。
もちろん、それも大切です。
使いにくいキッチンを使いやすくする。
寒いお風呂を暖かくする。
足りない収納を増やす。
暮らしの不便を解消することは、
リフォームの大きな役割です。
でも自分たちは、
リフォームするのは家の機能だけではなく、
そこに暮らす人の気持ちでもあると思っています。
「この家を、もう一度好きになる」
「ここで暮らすのが楽しみになる」
そんな気持ちまで生まれるリフォームができたらと思っています。
キッチンを替えるだけではなく、
その横に、その家に合った収納をつくる。
洗面台を替えるだけではなく、
毎朝、少し気分が良くなる洗面所にする。
既製品の良さを活かす。
今あるものも、できるだけ活かす。
必要なところには、造作を加える。
すべてを高級にするのではなく、
手の届く範囲で、少しだけ特別にする。

自分たちは、
そんなリフォームが好きです。
■ 愛される家は、残る

家がいつか「負の遺産」と呼ばれてしまうのは、
ただ古くなったからではないのかもしれません。
使いにくい。
暮らしにくい。
お金をかけてまで残したいと思えない。
その家に、
「残したい」
と思える理由がなくなってしまうこと。
それも大きな原因のひとつなんじゃないかと思っています。
まだ使えるものを活かす。
思い出のある場所を残す。
今の暮らしに合わせて、
必要なところだけ整える。
それは単なる節約ではありません。
家を壊して新しくするだけではなく、
今ある家にもう一度、
価値と愛着をつくることだと思っています。
そしていつか、
自分たちが住まなくなったあとにも、
「この家、残したいな」
「ここに住みたいな」
と誰かに思ってもらえたら。
愛される家は、残る。
自分たちは、そう思っています。
■ 少し不便でも、満たされる暮らし

そして、
暮らし家がこれからやっていきたいことは、
建物を直すことだけではありません。
昔の人の暮らしには、
今より不便なことがたくさんあったと思います。
自分でつくる。
自分で直す。
育てる。
分けてもらう。
分けてあげる。
正直、自分自身も、
昔の人達と同じ暮らしをするのは無理です。
便利なものは便利だし、
全部を昔に戻したいわけでもありません。
畑だって家庭菜園くらいでいい。
DIYだって上手じゃなくていい。
全部自分でやる必要もない。
ただ、
誰かに全部やってもらうのではなく、
自分たち自身も暮らしに少し参加する。
そんな感覚は、
これからもっと大事になる気がしています。
少し不便だけど、
なぜか満たされている。
便利さだけでは測れない暮らしです。
■ 建築だけで終わらない暮らし家へ

暮らし家は、
建物だけをつくる会社で終わるつもりはありません。
いつか廃材をストックして、
自由にDIYできる場所もつくりたいと思っています。
植物を育てたり。
ものを直したり。
人が集まったり。
何かをつくったり。
建築というハードと、
暮らし方というソフト。
その両方を、
自分たち自身が体現していきたいと思っています。
もちろん、
人間にとって便利で快適であることも大切です。
でも、
人間だけにとって都合のいい世の中を
ずっとつくり続けることには、
少し疑問もあります。
新しいものをつくっては捨てる。
便利になるために、
まだ使えるものまでなくしていく。
そんな方向だけではなく、
今あるものの魅力に気づく。
直して使う。
手をかける。
少し面倒でも、
それを楽しんでみる。
そんな選択肢も残していきたいと思っています。
■ 「いい建物」より先に、「残したい建物」を

建築では、
構造。
断熱性能。
メンテナンス性。
耐久性。
もちろん全部大切です。
自分たちも、
そこを軽く考えているわけではありません。
ただ、その前に、
「この建物を残したい」
と思ってもらえることも、
同じくらい大切なんじゃないかと思っています。
どれだけ性能のいい建物でも、
誰からも愛されなければ、
いつか簡単に壊されてしまうかもしれない。
逆に、
多少不便なところがあっても、
「ここが好き」
「この家を残したい」
と思われる建物なら、
人は手をかけながら残していくのかもしれません。
だから自分たちは、
リフォームでも、
「ここまでできるんだ」
と思ってもらえるものをつくりたい。
新築じゃなければできないと思われていることを、
リフォームでも実現していきたい。
そうしなければ、
今ある家を残すという選択肢が、
本当の意味で新築の代わりにはならないと思っています。
■ 暮らし家は、自分たちだけのものではない
暮らし家を、
ずっと自分たちだけのものにしておくつもりもありません。
会社ではあるけれど、
特定の誰かがずっと所有するものではなくていいと思っています。
自分はただ、
最初につくっただけです。

これから先、
暮らし家の考え方に共鳴してくれる人が増えて、
いつか少しずつ、
次の世代へバトンを渡していけたらと思っています。
人が変わっても、
大切にするものが受け継がれていく。
そんな場所になったら、
最高にうれしいです。
暮らし家がやりたいことには、
たぶんかなり時間がかかります。
自然だって、
今日植えたものが明日大きくなるわけではありません。
急いで大きくなることより、
ちゃんと根を張ること。
今あるものを大切にしながら、
少しずつ育てていくこと。
そしていつか、
自分たちだけで抱え込まず、
次の誰かへ渡していくこと。
3年目も、
そんなふうに進んでいきたいと思っています。
これまで出会ってくださった皆さん。
本当にありがとうございます。
そして、
これから出会う皆さん。
3年目の暮らし家も、
どうぞよろしくお願いします。
